フルミスト®ワクチン(鼻に噴霧するタイプ)について

今年から、注射ではなく鼻に噴霧する、痛みのないインフルエンザワクチン「フルミスト®」が、当院でも接種が可能になりました。

注射が苦手なお子さんにとって、痛みのないフルミスト®ワクチンは、心身の負担やストレスがないワクチンです。

2歳〜18歳の方が対象です。

ぜひご検討ください。


対象者:2歳〜18歳(当院かかりつけの方のみ)


当院では、接種できない方:

卵・鶏肉・ゼラチンが食べられない方

喘息のコントロールが不安定な方(1ヶ月以内に喘息発作や喘息症状がでた方)

アナフィラキシーを起こしたことがある方

妊娠している方

免疫力が低下している方


WEB予約開始:2025.9/17(水)午前10:00 〜  ※在庫がなくなり次第、予約終了いたします


接種期間:2025.10/17 〜 2025.12/20  ※在庫がなくなり次第、終了いたします


接種費用:9000円


接種回数:1回接種のみ


同時接種:小児科では、他のワクチンも同時接種できます


※ WEB予約から、フルミスト®ワクチンの予約をしてください。内科または、小児科で接種を選ぶことができます。

※ 小児科で同時接種を希望する方は、WEB予約の小児科の予防接種から予約をして下さい。その場合は、接種希望日の1週間前からの予約となります。

※ 中学3年生までのお子様は、保護者同伴で母子手帳を忘れずにご持参ください。

※ 診察の状況で待ち時間が生じる場合がございます。予めご了承ください。

※ キャンセル・変更は、当日の30分前までWEB予約サイトからできます。


フルミスト®ワクチンの特徴

① 痛みがない

ワクチンといえば注射が一般的ですが、フルミスト®は注射を使わず、鼻にスプレーをするだけで済みます。特に小さいお子さんは注射に抵抗感を持つことが多いですが、このワクチンは針を使わないため、痛みを感じることがありません。0.1mlというごく少量のワクチン液を両方の鼻にシュッと噴射します。


② 1回の接種でOK  

通常の注射型インフルエンザワクチンは、13歳未満のお子さんに2回接種が必要です。しかし、フルミスト®1回の接種で予防効果が得られるため、追加の接種をする必要がありません。これにより、複数回病院に通う手間が省け、保護者の方にとっても非常に便利です。


③ 自然な感染経路に近い  

フルミスト®は鼻から投与されるため、インフルエンザウイルスが体に入る自然な感染経路に近い形で免疫反応を引き起こします。そのため、免疫応答が注射型のワクチンに比べて強化される可能性があり、特に幼児や若年層においてはより効果的であるとの期待がされています。実際、過去の研究では、注射型ワクチンよりもフルミスト®の方が効果的だったとの報告もあります。


④ 持続する効果

フルミスト®を接種した場合、通常は接種後2週間ほどで免疫効果が現れ、その効果は約6か月~1年(1シーズン)持続すると考えられています。ですので、インフルエンザの流行が始まる前、できるだけ早めに接種することが推奨されます。


 ⑤ 接種できない方(✅に当てはまる方は、フルミストの接種はできません)

✅ 2歳未満の方 19歳以上の

✅ 卵・鶏肉・ゼラチンが食べられない方

✅ 喘息のコントロールが不安定な方(1ヶ月以内に喘息発作や喘息症状がでた方)

喘息を持っているお子さんは、フルミスト®が呼吸器に影響を与えることがあるため、接種を控えるべき場合があります。

喘息の発作が頻繁に起きている場合は、注射型のワクチンが推奨されます。ただし、コントロールが良好であれば接種可能ですので、

医師とご相談ください。

✅ アナフィラキシーを起こしたことがある方

✅ 妊娠している方

✅ 免疫力が低下している方 

免疫不全の病気を持っているお子さんや、ステロイドや免疫抑制剤を使用している場合は、フルミスト®の接種を控える必要があります。

免疫機能が低下していると、ワクチンのウイルスが体内で思わぬ影響を及ぼす可能性があるためです。


 ⑥ 副反応について

フルミスト®は「生ワクチン」であり、従来の「不活化ワクチン」(注射型ワクチン)とは異なります。副反応として、軽い風邪のような症状が見られることがありますが、ほとんどの場合は軽度で一時的なものです。

 

【よくある副反応】

鼻づまりや鼻水

・のどの痛み

・軽度の発熱

・頭痛、全身の疲労感

・筋肉痛や軽い咳


【まれに見られる重篤な副反応】

・アレルギー反応やアナフィラキシー

・喘息や呼吸困難の悪化

これらの重篤な副反応は非常にまれで、発生頻度は1%未満とされています。重度のアレルギー反応や喘息がある場合には、事前に医師と相談してください。

鼻に噴霧するタイプのワクチン vs 注射ワクチンの比較

特徴フルミスト®ワクチン(鼻に噴霧するタイプ)従来のインフルエンザワクチン(注射タイプ)
特徴痛みがない痛みがある
ワクチンの種類生ワクチン不活化ワクチン
接種方法鼻に噴霧上腕に皮下注射
対象2歳〜18歳1歳以上
接種回数1回(両鼻に1噴霧ずつ)1歳〜12歳は、2回接種(1回目と2日目は2週間以上あける)
13歳以上は、1回接種
副反応鼻水・鼻づまり・のどの痛み・頭痛・発熱など 軽い風邪のような症状接種部位の痛み・腫れ・赤み・頭痛・発熱など
他のワクチンとの接種間隔当院では1週間当院では1週間 
※インフルエンザワクチンの1回目と2日目は2週間以上あける
免疫がつくまでの期間2週間2週間
ワクチンの効果がある期間約6ヶ月〜1年
・研究によって違いがあり、注射ワクチンと変わらないという結果もあります
・流行株によって違いがあるが、注射ワクチンより予防効果が長いという結果もあり
約5ヶ月
費用9000円 / 回4000円 / 回 (2回接種の方は、合計で8000円)

効果の違いについて  

フルミスト®のような鼻に噴霧するワクチンは、インフルエンザウイルスの自然な感染経路(鼻や喉からの侵入)を模倣しているため、より強力な免疫応答が期待されています。特に小さなお子さんや若年層では、注射型ワクチンよりも効果が高いとされる研究もあります。 

一方、注射ワクチンは従来から使われている不活化ワクチンで、血液中での抗体産生を促進します。これにより、体全体でインフルエンザウイルスに対抗する力がつきますが、自然感染に近い経鼻ワクチンと比べると、免疫応答がやや弱いと考えられることもあります。


 実際のデータによる比較  

フルミスト®と注射型ワクチンの直接的な効果比較に関しては、データにばらつきが見られるのが現状です。ある研究では、幼児や若年者においてフルミスト®の方が注射型ワクチンよりも効果が高いと報告されていますが、別の研究では大差がないとも報告されています。 

また、インフルエンザの流行株は毎年異なるため、どちらのワクチンがより効果的かは、その年のウイルスの型によっても変わる可能性があります。現時点では、どちらのワクチンが一方的に優れているかを断言するのは難しいため、選択はお子さんの体質や状況に合わせて行うことが大切です。


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